介護は「やりがい」や「家族だから当然」という言葉では片づけられない、重く、長く、終わりが見えない問題です。
これまで親や配偶者に世話になったから、周りの目線が気になるから、という理由で、自分が介護をしなくてはと、どれだけつらくても一人で抱え込んでしまう方が多くいらっしゃるのも現実です。
そこで今回は、介護で多くの人が直面する悩みを構造的に分解し、現実的な対処法までご紹介します。
介護で多くの人が抱える3つの大きな悩み
親などを介護する場合の不安の内容は次の通りです。

出典:生命保険文化センター「親などを介護する場合の不安の内容」
それでは介護で多くの人が抱える大きな悩みを3つ見ていきましょう。
精神的な悩み~ストレス・不安・うつ状態に近づく理由~
介護の精神的負担が重くなる最大の理由は、「逃げ場のなさ」と「終わりの見えなさ」です。
- 介護は毎日続く
- 正解が分からない
- 感謝されないことも多い
- 愚痴を言うと「冷たい人」と思われそう
こうした状況が積み重なることで、知らないうちに心がすり減っていきます。
特に介護は子育てとは違い、「いつ終わるのか」が分かりません。
これが介護者にとって、かなりの精神的な負担になっているのです。
介護ストレスが限界に近づいているサインは次のとおりです。
- 些細なことでイライラする
- 眠れない、または寝ても疲れが取れない
- 何をしても楽しく感じない
- 「全部投げ出したい」と考えてしまう
これらは甘えではなく、危険信号です。
少しでもこんなサインが出てきたら、すぐに介護から逃げるべきです。
介護から逃げるのは、無責任でも、冷たいことでもありません。
介護する人が健康だからこそ、介護することが出来るのです。
介護する人が不健康になってしまったら、共倒れになってしまうことも考えられます。
精神的負担を軽くする具体策
- 1日5分でも「介護から完全に意識を切る時間」を作る
- 瞑想・深呼吸など、即効性のあるリラックス法を習慣化
- 「話すだけでいい」相談窓口を持つ
- 心療内科・カウンセリングを早めに検討する
介護する人の精神的負担は計り知れません。
これらの対策を知っておいて、限界が来る前に実践した方が良いでしょう。
身体的な悩み~介護が体を壊すまでのプロセス~
介護の身体的負担は、静かに、しかし確実に蓄積していきます。
- 排泄・入浴介助による腰や膝への負担
- 夜間対応による慢性的な睡眠不足
- 緊張状態が続くことによる自律神経の乱れ
「まだ動けるから大丈夫」と思っている間に、体は限界に近づいていることが少なくありません。
腰や膝への負担はどんどん蓄積されていき、突然爆発します。
睡眠不足も、1日や2日はなんとかなるかもしれません。
しかし、1か月、半年、1年と続くと、体が確実に悲鳴をあげます。
よくある誤解
- 「自分がやらなきゃ誰がやる」
- 「サービスを使うのは手抜き」
- 「家族の介護で体を壊すのは仕方ない」
これらはすべて、介護者を追い込む考え方です。
介護の当事者になってしまうと、上記の様な考えをしてしまうかもしれません。
しかし、部外者からすると上記はちょっとおかしいと感じるのではないでしょうか。
そうなんです。当事者になってしまうと、冷静な判断ができなくなってしまうのです。
身体的負担を軽減するためにできること
- 訪問介護・デイサービスを“当たり前に使う”
- 介助動作を専門職に相談し、体を痛めない方法を学ぶ
- 体調不良を感じたら「休む選択」を最優先にする
身体的な負担は、他の2つの負担よりも簡単に減らすことができます。
日本には公的介護保険制度があります。訪問介護やデイサービスを、公的介護保険を活用して利用することは介護保険料を支払ってきた私たちの権利でもあります。
最近は、動作を補助する機械などもあります。
導入にお金はかかるかもしれませんが、導入できるのであればこういった機械に頼り身体的負担を軽減した方が良いでしょう。
経済的な悩み~介護とお金の現実~
介護は、お金の問題と切り離せません。
- 介護費用の増加
- 仕事の時短・離職による収入減
- 将来の生活資金への不安
日本には公的介護保険制度があるとはいえ、公的介護サービスが使い放題ではありません。
介護を担うことで、これまで通り仕事を続けることが難しくなり、収入が減ってしまうこともあります。
そして特に深刻なのが、「介護のために仕事を辞めてしまう」ケースです。
介護離職が招くリスク
- 再就職が難しくなる
- 年金額が下がる
- 介護が終わった後も生活が不安定になる
「介護離職」は最も避けなくてはいけないことです。
一度辞めてしまうとブランクが出来てしまうため、再就職が難しくなります。
また、会社員ではない間は国民年金の加入者となり、将来受け取れる年金額も少なくなってしまいます。
その結果、いざ介護が終わっても、今度は自分の生活が成り立たなくなるということもあるのです。
詳しくはこちらの記事でご紹介していますので、読んでみてください↓
【介護離職】仕事を辞めざるを得ない理由と本当のリスク
経済的負担を軽くするための視点
- 介護保険サービスは「使う前提」で考える
- 高額介護サービス費制度など公的支援を必ず確認
- 家族内で費用負担と役割を明確に話し合う
- 「辞める」前に「制度で続ける」道を探す
介護は責任感のある誰か一人が担うものではありません。
経済的負担を軽くするための方法はいくつかあります。
しかしそれらを活用するためには、事前に方法を知っておく必要もあります。
経済的なことで限界を感じる前に、解決策を調べておいた方が良いでしょう。

介護で「大変だ」と感じやすいことランキング
それでは、実際に介護をしている人が「大変だ」と感じることを見ていきましょう。
ある調査結果によると、介護で大変なことランキングTOP10は次のとおりとなっています。

TOP10の中で気になるのは「要介護者とのコミュニケーション」ではないでしょうか。
これまで普通にコミュニケーションが取れてきた相手であっても、介護状態になってしまうと、
- 話が通じない
- 感情をぶつけられる
- 同じ説明を何度も求められる
ということがあり、大変だと感じてしまう方も多くいらっしゃいます。
これは介護技術の問題ではなく、感情の消耗が原因であることがほとんどなのです。
コミュニケーションの問題への対策
- 「分かってもらう」より「衝突を減らす」を目標にする
- 正面から向き合いすぎない
- 第三者(ケアマネ・専門職)を間に入れる
要介護者が認知症の場合で意思疎通が難しかったり、認知症ではなくても体が思う様に動かずストレスが溜まっていたりすると、衝突することも多くなるでしょう。
そんな時は、正面から向き合いすぎないことが大切です。
第三者に間に入ってもらうのも一つの手でしょう。

家族間トラブルを防ぐための現実的なコミュニケーション戦略
それでは、介護で家族間トラブルを防ぐためにはどうすればいいのかを見ていきましょう。
家族会議を開くときの注意点
介護の話し合いがうまくいかない原因は、感情と役割が整理されていないことです。
介護を担う当事者からは、他の親族へ言い出せないことも多くあるでしょう。
一方で、介護を担っていない親族は、できればその問題には直面したくないという想いから、自分から言い出すことはないでしょう。
家族会議で必ず整理すべき3点
- 誰が何をどこまで担うのか
- 費用は誰がどれだけ負担するのか
- 限界が来た場合の次の選択肢
「気持ち」より先に「仕組み」を事前に決めておくことが重要です。
長男だから、長男の嫁だから、働いていないから、こんな理由で介護を一人で担う必要はありません。
他の親族としっかり話し合い、役割分担を決めることが大切です。
専門家を交えるメリット
話し合いには専門家を交えるとより効果的です。
そのメリットは次のとおりです。
- 感情論になりにくい
- 現実的な選択肢が見える
- 家族の誰かが悪者にならない
介護は、家族だけで解決しようとしない方がうまくいく分野なのです。
介護の悩みを相談できる主な窓口
介護の悩みは、地域包括支援センターを使い倒すことで一定程度解決できるかもしれません。
地域包括支援センターは、介護の総合窓口です。
相談できる内容は非常に幅広く、
- 介護保険の申請
- サービス選び
- 家族関係の悩み
- 今後の介護設計
「まだ大したことじゃない」と思う段階にこそ、最も価値がある相談先なのです。
電話相談・第三者相談の価値
地域包括支援センター以外にも、介護に関する電話相談などができるところもあります。
生命保険の付帯サービスで、介護の電話相談が無料で受けられる場合もあります。
電話相談は、次のメリットがあります。
- 顔を合わせなくていい
- 匿名で話せる
- 感情を吐き出すだけでいい
たとえ解決しなくても、誰かに話を聞いてもらうだけで軽くなる悩みは多いのです。
介護の悩みは一人で抱え込まず、まずはこういった機関に話だけでもきいてもらうというのも一つの方法です。
介護は「頑張る人ほど壊れやすい」
介護は、真面目で責任感の強い人ほど限界を超えやすい世界です。
頼ること、休むこと、手放すことは逃げではなく戦略です。
- 介護の悩みは「個人の問題」ではない
- 精神・身体・経済の3軸で整理する
- 制度・サービス・人を使うのが正解
- 限界を感じた時点で相談する勇気を持つ
これらのことを念頭において、介護がつらいと思う前に手を打つことが最善策です。
経済的な面を心配する場合は、民間の介護保険へ加入しておくのも一つの手です。
どういった介護保険に加入するべきか悩む場合は、次のような保険代理店の無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。
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