皆さんは本を読むことがお好きですか?
そして、本をどこで読みますか?
本を読む時間は、誰にとっても“静かな逃げ場”であり、“思考を整える時間”です。
しかし、忙しい日常の中で、心地よく読書に没頭できる場所を探すのは意外と難しいもの。
「集中できない」「落ち着けない」──そんな気持ちを抱いた経験は、きっと誰しもあるのではないでしょうか。
阿久津隆さんの『本の読める場所を求めて』は、そんな“読書の場”に焦点を当てた、ありそうでなかった読書エッセイです。

『本の読める場所を求めて』 「fuzkue」店主 阿久津 隆 著 全268ページ
目次
はじめに
第1部 「本の読めない街」をさまよう
第1章 まずはおうちで
第2章 いったいなんなのか、ブックカフェ
第3章 街に出て本を読む
第4章 長居するおひとりさまとしての本を読む客
第5章 読書という不気味な行為
「フヅクエの案内書き」
第2部 「本の読める店」をつくる
第6章 店を定義する
第7章 穏やかな静けさと秩序を守る
第8章 おひとりさまが主役になる
第9章 誰も損をしない仕組みをつくる
第3部 「読書の居場所」を増やす
第10章 見たい世界をきちんと夢見る
おわりに
本書は、単なる読書エッセイではありません。
「本を読む」という行為そのものをあらためて見つめ直し、読む場所・読む姿勢・読む時間が、どれほど私たちの思考や感情に影響しているのかを静かに語りかけてきます。
カフェ、電車、図書館、自宅の片隅…。
それぞれの場所には、それぞれの“読書の気配”がある。
阿久津さんはその微細な空気の変化や、自身がそこで感じた可視化しにくい感覚をやわらかい文章で掬い上げます。
読んでいると、まるで自分自身の記憶の中にある読書風景がそっと呼び覚まされるようです。
また、特定の作品解説に踏み込むのではなく、「読書という行為が人生にどうかかわっていくのか」という普遍的なテーマに触れているのが本書の大きな魅力です。
読み進めるほどに、自分自身の読書体験をもう一度大切にしたくなる一冊です。
本を読む時間が減ってきた人にも、読書の原点を思い出させてくれるはず。

私がこの本に出会ったのは、とある雑貨店の小さな本のコーナーでした。
その雑貨店には20冊ぐらいの様々なタイトルの本が置かれていたのですが、この本のタイトルになぜかとても惹かれ、即購入してしまいました。
世の中には、いろいろな理由で家で本を読むことが難しく、外で本を読みたい人がいます。
では、どこで読むか・・・そんな悩みを抱えている人が私以外にも多くいらっしゃることに気づかされました。
この本は阿久津さんのエッセイですが、とても面白く考えさせられるものでした。
私の拙いご紹介では、この本の魅力が伝えきれていないと思いますが、本を読むということを考えたい場合、ぜひ一読されてみてはいかがでしょうか。 阿久津さんの経営されているブックカフェにも、ぜひ行ってみたいですね。

