NISA口座で運用中に亡くなったらどうなる?非課税で運用を続けられる?

NISA
初子
初子

両親がNISAを始めたいって言ってるんですけど・・・

アヴィ
アヴィ

NISAをやるのに遅いことはないから、いい事だと思うよ

初子
初子

でもNISAをやってる時にもし親が亡くなってしまったら、保有しているものはどうなるんですか?

アヴィ
アヴィ

親御さんが亡くなるなんて考えたくない事だけど、知っておいて損はないことだから今日は「NISAをやってるときに亡くなったらどうなるか」について解説するね

NISAは利益に対して税金がかからないお得な制度なので、多くの方が魅力を感じていると思います。

NISAを始める年齢に遅いということはありません。投資信託や株を購入するのであれば、NISA口座を活用した方がお得です。

でも、NISAを活用中に亡くなってしまったら、保有している金融商品はどうなるのでしょうか。

そこで今回は、NISAで運用中に亡くなってしまったらどうなるのかを解説していきます。

NISA口座で金融商品を運用している人が亡くなってしまった場合、相続する人がNISA口座のままその金融商品を引き継ぐことはできません

被相続人(亡くなった人)のNISA口座の金融商品は、相続する人の特定口座や一般口座に移すことになります。たとえ相続する人が既にNISA口座を開いていたとしても、そのNISA口座には移せないのです。

それではどういう手続きをしたらいいのかを見ていきましょう。

手続きはどうやる?

相続する人が、投資信託や株などの金融商品にあまり興味がなく、継続して運用する意思も無い為、すぐに現金化したいと思うこともあるかもしれません。

しかし、被相続人(亡くなった人)が保有していた金融商品をすぐに売却したいと思っても、被相続人のNISA口座から直接売却することはできないのです。

具体的にどんな手続きが必要となるのでしょうか。

被相続人が死んだことを知らせる

相続する人は、被相続人(亡くなった人)の死亡を知った日以後遅滞なく、被相続人(亡くなった人)がNISA口座を開いていた金融機関へ「非課税口座開設者死亡届出書」を提出します。 まずはこの届出書を提出することで、NISA口座内の金融商品が動かせるようになります。

相続する人の口座に金融商品を移す

NISA口座内の金融商品を、相続する人の口座へ移す為に、被相続人(亡くなった人)がNISA口座を開いていた金融機関へ「相続上場株式等移管依頼書」を提出します。

この場合、被相続人(亡くなった人)のNISA口座がある金融機関の口座にしか移すことが出来ないので、相続する人がその金融機関に口座を保有していない場合は、口座開設が必要になります。

そして相続する人の口座に金融商品が移せたら、その後は自由に売却することができます。

しかし、相続する人のNISA口座への移動ではなく、特定口座または一般口座への移動となるので、売却した際に売却益が出たり、保有し続けて配当金や分配金が出た場合には、税金がかかります。

税金はどうなる?

NISAは利益に対して税金がかからないお得な制度です。 一方で、被相続人(亡くなった人)が亡くなったことによって金融商品を相続する場合、税金はどうなるのでしょうか。

相続発生時までの含み益

被相続人(亡くなった人)がその金融商品を購入した日から、死亡日までの含み益は非課税となります。

例えば、100万円で購入した金融商品が、相続発生時に150万円となっていても、その利益の50万円に対しては税金がかかりません。

配当金や分配金

亡くなった日以降に受取った配当金や分配金は、非課税とはなりません

相続する人が所得税や地方税を支払う必要があります。

たとえ、相続する人が金融機関へ連絡するのが遅くなり、配当金や分配金が非課税で支払われていたとしても、遡及して課税されます。

取得価格は?

NISA口座ではない口座で運用していた金融商品を相続した場合の取得価格は、被相続人(亡くなった人)が取得した際の価額となります。

一方、被相続人(亡くなった人)がNISA口座で運用していた金融商品を受け継いだ場合は、相続発生日の価額で取得したものとみなされます。

上場株式等の相続税評価額の求め方

以下の4つの価格から最も低い金額となります

①相続開始日(亡くなった日)の終値

②相続開始日の当月の終値の月平均額

③相続開始日の前月の終値の月平均額

④相続開始日の前々月の終値の月平均額

イメージとしては、被相続人(亡くなった人)が100万円で購入した金融商品を150万円の時に相続で受け継ぎ、200万円の時に売却した場合、取得価額は150万円なので、200万円と150万円の差額の50万円に対して税金がかかります。

ここだけを見ると、NISAではない口座で運用されていた金融商品を相続で受け継ぐよりも、NISA口座で運用されていた金融商品を受け継いだ方が、その金融商品が値上がりしている場合は税金がお得だということですね。

一方で、逆のパターンも考えられます。すなわち、被相続人(亡くなった人)が100万円で購入した金融商品を、50万円の時に相続で受け継ぎ、80万円の時に売却すると、本来であれば利益が出ていないにもかかわらず、80万円と50万円の差額の30万円に対して税金がかかるということです。

このことから、この仕組みは相続した人に対してプラスにもマイナスにも働くということですね。

NISAをNISAのまま引き継ぐことはできない

以上のとおり、NISAで金融商品を運用していた人が亡くなってしまったら、相続する人はNISA口座をそのまま引き継ぐことはできません

被相続人(亡くなった人)がNISA口座を開いていた金融機関で、相続する人が口座を開く必要があるので、少し面倒かもしれません。

NISAをNISAのまま引き継ぐことはできない、これは覚えておいた方がいいでしょう。

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