「投資信託」って最近よく聞くんですけど、どういうものですか?
「投資信託」は、投資初心者に方に最適な運用商品だよ。
NISAを始めたいと思っているので、投資信託の仕組みが知りたいです。
それでは今日は、投資信託の仕組みをわかりやすく解説するよ。
2024年からNISA制度が新しくなりました。そしてそれは新NISAと呼ばれ、SNSでNISAをお勧めする投稿ををよく目にする様になりましたよね。
新NISAでは、株や投資信託、ETFなど、様々な投資商品に投資することができますが、初心者の方はいざやろうとしても何をやったらいいか、悩んでしまうところではないでしょうか。
投資初心者の方にとって、まず始めやすい投資商品が「投資信託」です。そこで今回は、投資信託の仕組みをわかりやすく解説します。投資信託って増えるの?と疑問に思っている方、必見です。
投資信託って何?
投資信託はファンドとも呼ばれます。
投資信託協会によると、投資信託とは一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」となっています。
分かるようで、分からない、そんな感じですね。それでは詳しく解説していきます。
投資信託の仕組みは?
投資信託とは、たくさんの投資家から集めたお金をひとつにまとめて、投資のプロである運用会社が国内外の株式や債券等に分散して投資を行い、その運用成果を投資家に還元する運用商品のことです。 イメージは次のイラストの様な感じです。
このイラストの様に、一人ずつの投資家が運用する金額は多くなくても、たくさんの投資家から資金を集めることで投資できる金額が大きくなります。
その為、運用会社は様々な銘柄に分散して投資を行うことが出来るという仕組みです。
そして、運用成果は「分配金」という形で定期的に投資家に利益が配分されたり、投資家が購入した投資信託を売却することで売却益を得ることが出来ます。(購入した時の金額よりも低い金額で売却すると、損失を被ることになります)
基準価額って?
投資信託の金額のことを「基準価額」といいます。
投資信託の単位は「1口」と表され、公表される基準価額は1万口あたりの金額です。
基準価額は1日に1回公表されて、運用会社のホームページや、日経新聞などで調べることが出来ます。
投資信託のメリットとデメリット
投資信託には、メリットもあればデメリットもあります。 メリデメを理解した上で、自分に合った投資信託を見つけるようにしましょう。
投資信託のメリットは?
その1 少ない資金で始められる
投資信託は多くの場合、1万円から始めることができます。(最近は100円から積立てられるものもあります)
個人で株を購入しようとすると、最低でも数十万円かかるので、10銘柄に分散して投資をしたいと思った場合、数百万円から数千万円かかることもあります。
この金額は、投資初心者の方にはなかなかハードルが高い金額ですよね。
その2 運用はプロが行う
投資信託は、運用のプロである運用会社が運用を行います。投資初心者の方にとって、どの銘柄に投資をしたらいいのか、これが一番悩むところではないでしょうか。
投資信託は、その商品ごとに運用方針が定められているので、その方針に沿って運用会社が運用を行ってくれるのです。
例えば、最近なにかと話題の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資成果をめざすインデックスファンドです。
要するに、この投資信託を1つ持っていれば、全世界の株式に分散投資できていることになります。これもすごい仕組みだと思いませんか?
その3 分散投資できる
投資の基本は「分散投資」です。
投資の格言に、「卵は一つのカゴに盛るな*」という言葉があるぐらい、分散投資は投資の基本中の基本になっています。
投資信託は、個人の投資家でも少ない金額で分散投資できることが最大のメリットと言っても過言ではありません。
*卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合に全ての卵が割れてしまう。一方で、卵を複数のカゴに分けて盛っておけば、一つのカゴを落としても、他のカゴの卵は割れずにすむ、ということ。
その4 種類がたくさんある
現在日本で購入できる投資信託は、かなりの数があります。
その中から、自分に合った投資信託を選ぶことが出来るので、投資の選択肢は無限にあるといってもいいでしょう。一方で、たくさんありすぎるがゆえに、どれを選んでいいかが分からなくなってしまうということもあるかもしれません。
投資信託のデメリットは?
その1 元本保証はない
投資信託は預金とは違い、元本保証がありません。
要するに、運用がうまくいかなければ、10万円が5万円になってしまうこともあるのです。
運用会社は運用のプロではありますが、投資というものに「絶対もうかる」ということは無いので、運用に失敗することもあります。
「長期投資」や「分散投資」を行うことで、資金が減ってしまうリスクを軽減することはできますが、それでも元本が絶対減らないという保証はありません。
その2 コストがかかる
個人で株や債券を購入する場合、購入や売買に手数料がかかる場合があるものの、保有していることに対してコストはかかりません。
一方で、投資信託は次の3つのコストがかかります。
購入時:購入手数料
投資信託を購入する際にかかる手数料のことです。購入額に対して〇〇%という様に、購入額に対して一定の割合で支払います。
最近は、ノーロードといって、購入時の手数料が無料の投資信託もあります。
保有中:信託報酬
投資信託を保有していると、毎日「信託報酬」という費用がかかります。こちらも保有額に対して〇〇%となっています。 信託報酬は、運用管理費用とも言われ、運用会社に運用を管理してもらっているので、それに対する手数料というイメージです
売却時:信託財産留保額
難しい言葉ですが、投資信託を売却する際にかかる費用のことです。投資信託を売却する際は、運用会社が運用している資産を売却して現金化し、それを投資家に返却することになります。
その為の手数料というイメージです。
上記3つの中でも、「信託報酬」は毎日引かれる費用です。運用している資金から毎日引かれるので、例え1日に引かれる金額が少しだとしても、1年、2年、3年と続けていくとチリツモとなり、かなりの金額になることもあります。
また、この信託報酬は、運用が不調でも引かれる費用です。運用が不調でも、費用は引かれる、なんだか納得できない費用な感じがしますね。
投資信託を選ぶ際は、「信託報酬」は必ず確認した方がいいでしょう。
投資信託のリスクって?
投資信託のリスクは次の4つです。1つずつ確認していきましょう。
価格変動リスク
投資信託は株式や債券、不動産で運用されているので、価額は刻一刻と変化します。
それぞれの国の経済情勢や、政治、企業の業績などの影響を常に受けます。それぞれ、いい時もあれば悪い時もあるでしょう。一時的に価額が下がっても、そのまま保有していれば価額が上がることも十分考えられます。 投資信託を購入したら、毎日価額をチェックして一喜一憂せず、しばらく放置しておくことをお勧めします。
信用リスク
株や債券の発行体の信用にかかわるリスクです。株であれば、その企業が倒産してしまうとその株式の価値は0になってしまいます。債券であっても、発行体が倒産してしまうとその債券の価値は0になってしまうこともあります。株や債券に投資する以上、この様なリスクは避けられません。
為替変動リスク
海外の株や債券に投資している場合は、円からその国の通貨に交換する為、為替レートの影響を受けます。株や債券の価格が上昇したとしても、為替レートが購入時よりも円高になっていると、思わぬ損失を被ることもあります。
流動性リスク
保有している株や債券等が、不測の事態によりすぐに現金化できないこともあります。
投資信託の仕組みはわかりやすい
投資信託は、一度理解してしまえばとてもわかりやすい投資商品です。
少ない金額から始められ、投資のプロが分散投資してくれるので、投資初心者の方にとっては最適な運用商品ではないでしょうか。
一方で、元本保証がないので、どの投資信託を選ぶかは自己責任です。投資のプロが運用しているからと言って、元本が割れない保証はありません。
投資信託の仕組みをしっかりと理解したうえで、自分に合った投資信託を選ぶ様にしてください。